ぶどう畑のネズミ対策で効果的なのは?【防鳥ネットが一石二鳥】被害を防ぐ5つのポイント
【この記事に書かれてあること】
ぶどう畑で深刻な被害を引き起こすネズミ。- 防鳥ネットは地面まで密着させるのが効果的
- 被害の深刻度は果樹の種類によって大きく異なる
- 8月下旬からの収穫前が最も要注意の時期
- 樹皮被害は木の生命に関わる重大な問題
- 天然素材を活用した5つの効果的な対策方法を紹介
果実を食い荒らすだけでなく、樹皮まで齧って木を枯らしてしまうこともあります。
「せっかく育てたぶどうが台無しに…」と嘆く声が後を絶ちません。
しかし、防鳥ネットの正しい設置方法と、身近な材料を使った5つの効果的な対策を組み合わせることで、被害を大幅に減らすことができます。
この記事では、費用をかけずに始められるネズミ対策の具体的な方法をご紹介します。
ぶどう畑で深刻化するネズミ被害の実態と対策
ぶどうの実と樹皮に「二重の被害」が発生!収穫量激減のリスク
ぶどう畑のネズミ被害は果実への食害と樹皮被害の「二重の被害」が特徴です。甘くて栄養価の高いぶどうの実は、ネズミにとって格好のごちそう。
「せっかく育てた大切なぶどうが、収穫直前になってすっかり食べられてしまった…」という悲しい事態が各地で起きています。
しかし、それ以上に深刻なのが樹皮被害です。
ネズミは樹皮をかじって木の内部の柔らかい部分を食べてしまいます。
「果実の被害なら来年また実をつければいい」と思われるかもしれませんが、樹皮被害は木の生命に関わる重大な問題なのです。
被害を受ける場所には特徴があり、以下の3箇所で特に多く見られます。
- 畑の外周部分
- 草が生い茂った場所の周辺
- 農具置き場や物置の近く
樹皮を一周分かじられてしまうと、養分の通り道が断たれて木が枯れてしまうことも。
一度被害が出始めると、対策を講じない限り年々深刻化していくというわけです。
被害は8月下旬から急増!収穫前に要注意のタイミング
ぶどう畑でのネズミ被害は8月下旬から収穫期にかけて急増します。「なんで急に被害が増えるの?」その理由は、ぶどうの実の熟し具合にあります。
果実が色づき始め、糖度が上がってくると、ネズミは敏感な嗅覚でそれを察知。
絶好の餌場として認識し始めるのです。
特に以下の時期には要注意です。
- 果実が色づき始める8月下旬
- 完熟に近づく9月上旬~中旬
- 収穫直前の9月中旬~下旬
ネズミは夜行性なので、日中は被害が見られなくても油断は禁物です。
また、この時期は樹皮被害も同時に増加。
果実を目当てに集まってきたネズミが、ついでに樹皮もかじってしまうからです。
まさにぶどう栽培農家にとって「正念場」の時期なのです。
防鳥ネットを地面から浮かせるのは逆効果!ネズミの隠れ家に
防鳥ネットの設置方法を間違えると、かえってネズミの被害を助長してしまいます。よくある失敗が「ネットを地面から浮かせて設置」すること。
「これなら通気性もよくて管理もしやすい」と思いがちですが、これが大きな間違い。
浮かせたネットの下は、なんとネズミにとって格好の隠れ家になってしまうのです。
ネットの下には以下のような好条件が揃ってしまいます。
- 天敵から身を隠せる安全な空間
- 雨や日差しを避けられる快適な環境
- 自由に出入りできる程よい隙間
- 豊富な食べ物がすぐ近くにある
これは、知らず知らずのうちにネズミの楽園を作ってしまっているからなんです。
正しい設置方法は、ネットの裾を必ず地面にピッタリとつけること。
さらに土や重石で固定すれば、ネズミの侵入を効果的に防ぐことができます。
果樹の種類による被害の違いと効果的な防御戦略
ぶどうvsりんご「被害の深刻度」に大きな差!収穫量3割減も
ぶどうの被害は他の果樹と比べて特に深刻で、放置すると収穫量が3割も減少してしまいます。「りんごとぶどう、どっちが被害が大きいの?」という疑問をよく耳にします。
結論から言うと、ぶどうの方が圧倒的に被害が大きいのです。
その理由は大きく分けて3つあります。
- 果実が房になっているため、一度の被害で多くの実が駄目になる
- 果皮が薄く、ネズミが食べやすい
- 糖度が高く、ネズミの大好物
「りんごは少し齧られても、傷んだ部分を切り取れば食べられる」という声もよく聞きますが、ぶどうは一粒でも傷があると、その房全体がだめになってしまうんです。
さらに深刻なのは、被害を受けた果実から酢のような発酵臭が漂い始めると、それに誘われて新たなネズミが集まってくること。
まさに「悪循環」の始まりです。
対策を怠ると、あっという間に被害が広がっていくというわけです。
なしvsぶどう「被害の特徴」を比較!樹皮被害はぶどうが圧倒的
ぶどうは樹皮被害が特に深刻で、果実だけでなく木自体の生命も危険にさらされます。「なしの木とぶどうの木、どっちが被害に弱いの?」という質問をよく受けます。
答えは、圧倒的にぶどうの方が被害を受けやすいのです。
ぶどうの樹皮が特に狙われやすい理由は以下の3点です。
- 樹皮が柔らかく、齧りやすい
- 樹液の糖度が高い
- 木の太さが細く、一度の被害で致命的になりやすい
ところがぶどうは「つるっと」樹皮がむけてしまうほど柔らかいため、ネズミの格好の標的に。
「樹皮なんて、また生えてくるから大丈夫」と思われがちですが、それが大きな間違い。
樹皮が一周削り取られてしまうと、養分の通り道が断たれて木が枯れてしまうことも。
栽培を続けられなくなる危険性すらあるんです。
もものきvsぶどうの木「被害期間」が違う!開花期からの要注意
ぶどうの木は被害を受ける期間が特に長く、開花期から収穫期まで継続的な対策が必要です。「もものきとぶどうの木では、どっちが長く被害を受けるの?」という声をよく聞きます。
実は、ぶどうの方がはるかに長期間の被害に悩まされるのです。
被害を受ける時期の違いは以下の通りです。
- もものき:果実の生育期(約2か月)
- ぶどうの木:開花期から収穫期まで(約5か月)
- 被害のピーク:ぶどうは8月下旬から収穫期
特に注意が必要なのは、春先の新芽の時期。
「まだ実もないのに、なぜ?」と思われるかもしれませんが、この時期の新芽は柔らかくて栄養価が高いため、ネズミの絶好の餌場になってしまうのです。
ネズミ被害から完全防御する5つの裏ワザ
防鳥ネットの下端に「古い靴下」活用!簡単な侵入防止策
古い靴下を活用したすき間なしの防鳥ネット設置法で、ネズミの侵入を効果的に防げます。「防鳥ネットの下端から入られちゃうんだよね」というお悩みをよく聞きます。
実は古い靴下を使えば、この問題を解決できるんです。
靴下の活用方法は以下の3ステップです。
- 古い靴下を15センチメートルほどの長さに切る
- 切った靴下に砂を詰めて重りを作る
- 防鳥ネットの裾に30センチメートルおきに取り付ける
「まるで重りのカーテンみたいだね」と近所の方に言われるほど、すき間なく設置できます。
砂入り靴下には、ネットを固定する以外にも思わぬ効果が。
雨に濡れても重みが増すだけなので、むしろ密着度が増すんです。
「これなら台風でもびくともしない!」という声も。
「でも見た目が気になる…」という方には、黒い靴下の使用がおすすめ。
遠目からはほとんど目立ちません。
使い古しの靴下が、立派な防御装置に生まれ変わるというわけです。
唐辛子パウダーと米ぬかの「黄金比率」で忌避効果アップ
唐辛子パウダーと米ぬかを2対8の割合で混ぜると、強力な忌避効果が得られます。「市販の忌避剤は高いし、頻繁に買い換えるのが大変」という声をよく聞きます。
そんな時は、台所にある材料で作る天然の忌避剤がおすすめ。
効果的な使い方は以下の3段階です。
- 唐辛子パウダーと米ぬかを2対8で混ぜ合わせる
- 畑の周囲に幅20センチメートルの帯状に撒く
- 雨が降る前に再度撒き直す
実は米ぬかには、唐辛子の刺激を長持ちさせる効果があるんです。
さらに、米ぬかの香りで寄ってきたネズミが、唐辛子の刺激でびっくり。
「二度と近づきたくない場所」として記憶するというわけです。
使用時は風向きに注意。
「目に入ったらダメよ」と近所のおばあちゃんも言うように、風上から風下に向かって慎重に撒きましょう。
ぶどう園周辺に「猫砂」散布!天敵の気配で寄せ付けない
使用済みの猫砂を活用することで、天敵の存在を匂いで演出し、ネズミを寄せ付けません。「猫を飼っているお宅の周りにはネズミが来ない」という話を聞いたことはありませんか?
実は、猫砂を利用すれば、猫を飼わなくても同じような効果が得られるんです。
効果的な猫砂の使い方は以下の通りです。
- 使用済みの猫砂を乾燥させる
- 小さな布袋に入れて吊るす
- ぶどう畑の外周に3メートルおきに設置
- 2週間ごとに新しいものと交換
人間の鼻では感じにくい程度の量で十分な効果があります。
ただし、雨の日は効果が弱まるので要注意。
「こまめな交換が面倒」という方は、知り合いの猫飼いさんと協力するのがコツ。
お互いに使用済み猫砂を分け合えば、コストも手間も半分で済むんです。
竹酢液を染み込ませた布を「支柱に巻きつける」新技法
竹酢液を布に染み込ませて支柱に巻きつけることで、縦方向からの侵入も防げる新しい対策法です。「ネットの下からだけじゃなく、支柱を伝って上から入ってくる!」というお悩みも多いはず。
そんな時は竹酢液を使った新技法が効果的です。
具体的な手順は以下の通りです。
- 古いタオルを10センチメートル幅に切る
- 竹酢液を薄めずに染み込ませる
- 支柱に巻きつけて両端を紐で固定
- 1か月ごとに液を追加する
「まるで見えない壁ができたみたい」と評判の効果を発揮。
天然素材なので、ぶどうへの影響も心配ありません。
「環境にも優しくて一石二鳥!」という声も多数。
竹酢液は、薬局やホームセンターで手軽に購入できます。
柑橘類の乾燥皮で「天然の忌避剤」に!廃材活用のアイデア
みかんやレモンの皮を乾燥させて活用すれば、費用ゼロの天然忌避剤になります。「市販の忌避剤を買う余裕がない」という方に朗報です。
実は、普段捨ててしまう柑橘類の皮を利用するだけで、立派な忌避効果が得られるんです。
効果的な使い方は以下の手順です。
- みかんやレモンの皮を天日干しにする
- 乾燥後に細かく刻む
- ネットの周囲に20センチメートル間隔で置く
- 2週間ごとに新しいものと交換
この香りがネズミの敏感な嗅覚を刺激して、近づくのを躊躇させるんです。
冬場は特におすすめ。
「みかんの季節と、ネズミが活発になる時期が重なるなんて、自然の助け合いみたい」という声も。
食べた後の皮を捨てずにとっておくだけで、立派な対策になるというわけです。