さつまいも畑のネズミ対策はどうする?【ネットの設置が効果的】被害を防ぐ3つの効果的な方法
【この記事に書かれてあること】
「せっかく育てたさつまいもがネズミに食べられた…」そんな悲しい経験をされた方も多いはず。- さつまいも畑でのネズミ被害は収穫直前がピーク
- 芋の甘みと柔らかさが被害を誘発
- 金属製ネットによる物理的な防御が最も確実
- 地中15センチまでの埋め込み施工が決め手
- ミントなどの天然素材で忌避効果をアップ
実は、さつまいもはネズミにとって大好物の食べ物なんです。
特に収穫直前の時期は要注意。
地中の芋を「むしゃむしゃ」と食べられて、収穫時に空洞になっていた…なんて被害も珍しくありません。
でも大丈夫。
金属製ネットの設置など効果的な対策方法があるんです。
この記事では、さつまいも畑での具体的なネズミ対策を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
【もくじ】
さつまいも畑でのネズミ被害の状況とリスク
さつまいもへの「食害パターン」と被害の特徴!収穫時に発覚
ネズミの食害は地中の芋を食い荒らすのが特徴で、収穫時に中が空洞になっていることが多いのです。「あれ?この芋、妙に軽いな…」収穫時にこんな経験はありませんか?
実はこれ、ネズミによる食害の典型的な特徴なんです。
被害を受けた芋を見てみると、こんな特徴が見られます。
- 地中の芋に直径2〜3センチの穴が開いている
- 芋の中身がくりぬかれたように空洞になっている
- 芋の表面に細かい歯形の跡が残っている
- 芋の周りに黒い粒状の糞が落ちている
「畑は元気そうだから大丈夫」と思っていても、収穫してみたら中身がスカスカ…なんてことも。
また被害は畝の端から始まることが多く、特に物置小屋や草むらに近い場所から広がっていきます。
「ここなら安全」と思える場所はないので、畑全体に対策が必要というわけ。
芋の生育時期による被害状況の違い!収穫直前が危険に
さつまいもは生育後期、特に収穫直前の9月から10月に被害が集中します。「なぜ収穫直前なの?」その理由は芋の中身にあります。
生育後期になると、芋の中のでんぷんが糖に変わって甘みが増してきます。
さらに芋自体も柔らかくなってきて食べやすくなるんです。
時期による被害の特徴はこんな感じです。
- 生育初期:芋がまだ固くて小さいため被害は少ない
- 生育中期:徐々に芋が大きくなり始め、被害も増加
- 生育後期:芋が完熟して甘みが増し、被害が急増
- 収穫適期:最も被害を受けやすい時期に
この時期を見過ごすと「ガジガジ」と音を立てて食べられてしまいます。
「もう少し大きくなるまで待とう」という気持ちはわかりますが、それが最大の危険信号なんです。
被害に気づかず放置すると「全滅」の危険性!即対策が必要
被害を放置すると、あっという間に全滅する危険性があります。1匹のネズミが見つかったら要注意。
なぜなら、ネズミは群れで行動する習性があるからです。
「たった1匹だから大丈夫」なんて油断は禁物。
地中では既に「もぐもぐ」と複数のネズミが芋を食べている可能性が高いんです。
放置した場合の被害拡大を時系列で見てみましょう。
- 1週目:畝の端から少しずつ被害が始まる
- 2週目:被害が畝全体に広がり始める
- 3週目:芋の3割以上が食害を受ける
- 4週目:最悪の場合収穫物の7割が被害に
一度ネズミの餌場として認識されると、翌年はさらに多くの仲間を連れてやってくるからです。
早めの対策で被害を食い止めましょう。
害獣駆除剤の安易な使用は逆効果!むしろ被害が拡大
ネズミ被害に困って害獣駆除剤を使いたくなりますが、これは逆効果です。なぜなら、毒餌を置くことで新たなネズミを引き寄せてしまう可能性が高いからです。
「これで一網打尽!」と思いきや、餌の匂いに誘われて近所のネズミまでやってきてしまうんです。
安易な駆除剤使用の問題点を見てみましょう。
- 餌の匂いでさらに多くのネズミが集まる
- 毒に対する警戒心を持ったネズミが増える
- 天敵となる野生動物への影響も
- 土壌や作物への残留の危険性がある
ネズミは賢い動物で、仲間が死んでいるのを見ると、その原因となる物を避けるようになります。
「ちょっとだけなら」という気持ちもわかりますが、かえって対策を難しくしてしまうことに。
まずは物理的な防御から始めるのが正解です。
品種と被害の関係性からみる効果的な対策
甘みの強い品種vsさっぱり系品種!被害の差は3倍以上
さつまいもの甘みの強さによって、ネズミの被害に大きな差が出ることがわかっています。「うちの芋、甘くておいしいんだけど…」実は、それが被害を呼び寄せている原因かもしれません。
ネズミは糖度の高い品種を本能的に見分ける能力を持っているんです。
品種による被害の差を見てみましょう。
- 甘みの強い紅はるか:被害率30%
- 中程度の甘みの黄金千貫:被害率20%
- さっぱり系の高系14号:被害率10%
畑の外周部には甘みの少ない品種を植え、中央部に甘い品種を植えるという方法です。
外周部が緩衝地帯となって、甘い品種を守ってくれるというわけ。
また、甘みの強い品種を育てる場合は、収穫を少し早めに行うのがポイント。
完熟前の方が糖度が低く、ネズミの被害も少なくなりますから。
「ちょっと甘みは足りないかな」と思っても、収穫後の追熟で甘みは増していきます。
早生品種vs晩生品種!収穫時期の違いで被害に差
収穫時期の異なる品種では、被害の受け方に大きな違いが出ます。一般的に、早生品種の方が被害を受けにくい傾向にあります。
「なぜ?」と思いますよね。
それは収穫時期が関係しているんです。
収穫時期と被害の関係をまとめてみましょう。
- 早生品種(9月収穫):被害率15%以下
- 中生品種(10月収穫):被害率20〜25%
- 晩生品種(11月収穫):被害率30%以上
まず、早生品種はネズミの活動が活発化する前に収穫できること。
そして、土の中での滞在時間が短いため、ネズミに見つかる確率が低いということです。
ただし「早生品種は収量が少ないんじゃ…」という心配も。
でも大丈夫。
早生品種は生育期間が短い分、単位面積当たりの栽植密度を上げられるので、収量は確保できるんです。
固い品種vs柔らかい品種!ネズミの好み度を比較
芋の硬さによって、ネズミの食害に明確な差が出ることが分かっています。「カリカリ」「ホクホク」といった食感の違いは、実はネズミの好みにも影響するんです。
柔らかい品種ほど被害を受けやすいという傾向があります。
品種の特徴による被害の違いを見てみましょう。
- 肉質が固い安納芋:被害率10%台
- 中程度の硬さの紅あずま:被害率20%前後
- 柔らかめの種子島紫:被害率30%以上
でも実は、肉質の硬い品種は加熱調理で程よい柔らかさになります。
焼き芋にすると、かえってホクホクした食感が楽しめるんです。
芋の硬さは栽培方法でも調整できます。
水やりを控えめにして、追肥を抑えると、肉質が引き締まった芋に育ちます。
「これなら、ネズミ対策と美味しさの両方が手に入る」というわけです。
すぐできる!ネットと天然素材による効果的な防御策
金属製ネットで「完全防御」!設置方法と高さの基準
金属製のネットを使えば、ネズミの侵入を効果的に防ぐことができます。「どんなネットを選べばいいの?」まずは材質と目の大きさが重要です。
目合い1センチ以下の金属製ネットを選びましょう。
これより大きいと、小さなネズミが通り抜けてしまうんです。
効果的なネット選びのポイントをまとめてみましょう。
- 錆びにくいステンレス製が長持ち
- 網目は四角形より六角形が強度アップ
- 厚さは1ミリ以上が理想的
- 幅は1メートル以上のものを選ぶ
確かに初期費用は少し高めですが、何度も買い替える必要がないので長い目で見るとお得なんです。
安価な樹脂製ネットだと、「ガジガジ」と噛み切られてしまう危険性も。
設置する際は、まず畝の周りに溝を掘ります。
「ちょっと面倒だな」と感じるかもしれませんが、この手間を省くと地中からの侵入を許してしまいます。
ネットが地面から浮いていると、その隙間から「スルッ」と入り込んでくるんです。
地中15センチ+地上30センチ!最適な設置深度と高さ
ネットの設置には適切な深さと高さがあります。地中に15センチ以上埋め込み、地上部分は30センチ以上の高さを確保しましょう。
この数値には明確な理由があるんです。
ネズミは地中を「トンネル」のように掘って進みますが、通常は地表から15センチより深く掘ることはありません。
また、地上では30センチ以上の高さを一気に飛び越えることもできないんです。
設置の手順を見てみましょう。
- 畝の周りに幅20センチの溝を掘る
- ネットの端をL字型に折り曲げる
- 折り曲げた部分を地中に埋め込む
- 支柱を立てて地上部分を固定
L字に折り曲げた部分が、ネズミが地中を掘り進もうとしたときの「壁」になるんです。
まるで地下要塞のような防御効果を発揮します。
ペットボトルで即席「風切り音」発生装置!侵入防止効果
使い終わったペットボトルで、手軽にネズミよけの装置が作れます。風で「ビュービュー」という音を出すことで、ネズミを寄せ付けない効果があるんです。
作り方はとても簡単。
ペットボトルの側面に細長い切れ込みを入れるだけです。
これを畝の周りに30センチ間隔で立てていきます。
風が吹くたびに「シューッ」という音が鳴って、ネズミを追い払ってくれるんです。
効果を高めるコツをご紹介します。
- 切れ込みは斜め45度に入れる
- 高さは地上30センチを目安に
- 向きは主風向に対して直角に
- 数は3メートルに4本程度
特に風で変化する不規則な音は、彼らにとって「何かが近づいてくる」という危険信号となります。
使用済み茶葉の活用!天然の忌避効果で寄せ付けない
飲み終わった茶葉を捨てずに取っておくと、立派なネズミよけになります。茶葉に含まれる独特の香り成分が、ネズミを遠ざける効果を発揮するんです。
使い方は本当に簡単。
乾かした茶葉を布袋に入れて、畝の周りに30センチおきに置いていくだけ。
「もったいない」と思っていた使用済みの茶葉が、立派なネズミ対策に変身します。
効果を持続させるポイントはこちら。
- 週に1回は新しい茶葉に交換
- 雨に濡れないよう屋根付きの容器を使用
- 茶葉は完全に乾燥させてから使用
- 緑茶、紅茶、烏龍茶など種類は問わない
でも実は、ネズミは嗅覚が非常に発達していて、私たちの何倍も敏感なんです。
人には心地よい香りでも、ネズミにとっては「むわっ」と強烈な臭いなんです。
畝の周りに「ミント植え」!香りで撃退する栽培術
ミントを畝の周りに植えると、その強い香りでネズミを寄せ付けません。しかも、さつまいもの生育を妨げることなく、一年中緑の防御ラインを作れるんです。
植え方のコツは、さつまいもの畝から30センチほど離して、ぐるりと輪を作るように植えること。
「根が広がって邪魔になるのでは?」という心配もありますが、この距離があれば大丈夫。
むしろ土の中で根が張ることで、ネズミの地中からの侵入も防いでくれます。
ミントの植え付け時期と管理のポイントです。
- 春先に株分けして植える
- 地面から20センチの高さで刈り込み
- 月1回の追肥で香りを保つ
- 刈り込んだ葉は乾燥させて再利用
水やりさえ忘れなければ、ほとんど放っておいても大丈夫なんです。
その上、収穫した葉を乾燥させれば、お茶としても楽しめるという一石二鳥の効果も。